3月
寒中雛と言うとおかしな感じをお受けになるかもしれませんが、
毎年 節分明けに娘達が玄関脇の古い座敷にお雛様を飾ります。2月から3月初旬の新潟は 大雪のときなどまだ庭に残雪があり 寒い季節です。
そんな時期に飾られる雪国のお雛様はかわいそうな気がいたします。
雪解けの屋根の雫がキラキラと日差に映る日など 春待つ心は雪国の人にしか
お解かりいただけないものかもしれません。
そんな新潟でも3月の声を聞くと 市場には春の訪れを告げる素材が
並ぶようになります。菱形の向付にきり芋で作る左近の桜 右近の橘は
真砂和えで桃節句の気分を感じていただければうれしいです。
蛤型の漆器には白魚のぬた、うるいのお浸しや竹の子などが
おそい春の訪れです。
寒中雛
4月
お花見
平野五岳筆:梅と九哺鳥
津端道彦 筆
若武者の図
豪雪で有名な
新潟県津南町出身の
画家
これらはお料理の途中で出せれる場合、「八寸」と呼ばれ茶懐石の形式からきたものです。
ここでは茶を基調としながら 形式にとらわれずに、様々な器や調理法を使い 季節やそれにまつわる
行事を映した趣向を取り入れています。色とりどりのプチキューイジンヌのなかには
時期の新潟の珍味・佳肴をお楽しみいただけるよう心がけています。
弓月ではご夕食のスタートに先付・前采として7種〜9種ほどの小さなお料理をお出しいたします。